
Author:ki4_zou
アタラシもの&車好きのテクニカル・ライター。「伝える」と「伝わる」、「わかった喜び」を考えながら、日々テクニカル・コミュニケーション&タイムドメインスピーカーを手にしたチューニング・製品開発に精進しています。

「良感」って聞いた事がない言葉ですよね。
それもそのはず、何しろ勝手に作らせていただいた言葉ですから。
きっかけは、イタリア語の"simpatico"(aは`付)という言葉。
伊日辞書では「いいかんじ」になるのですが、巷で使われている「イー・カ・ン・ジ」とは、ちょっとニュアンスが違います。イタリア人は、見た目の善し悪しだけでなく、内面的な好感や親しみをこめて使っています。そんな言葉と「イー・カ・ン・ジ」を区別して使いたいと思い、「良感」と表現した次第です。
このブログでは、そんな好感や親しみの持てる言葉/話/物/人を取り上げて、人々に本当に役立つ話題や、世の中が朗らかになる話題を書き留めています。昨今殺伐とした社会生活が、少しでも明るくなり、人々が仲良く共生できるようになればと願っています。
※ブログページ内および記事中の商品名・写真には、広告バナーおよびアフィリエイトリンクを含んでいます。
それもそのはず、何しろ勝手に作らせていただいた言葉ですから。
きっかけは、イタリア語の"simpatico"(aは`付)という言葉。
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出来上がったフォノイコライザー「Luxman LXV-OT10」
やけにシンプルなつまみが気になりました。
ボリューム自体に中央のクリック感はあるものの、ノブには印が無いので、今どこに調整されているかわかりません。
また、そのクリック感がある中央が標準カーブ(RIAA)だとして、各カーブの設定値を示すものが何もないのです。
取説には、「聴感を頼りに一番よくなるポイントを探れるように、連続可変型としました」とあるので、開発者の意図として、ここが〇〇カーブと言ったことは示すつもりがないようです。

そこで、使い始める前にノブに設定値がわかるマーキングと、今まで知り得た各EQカーブのデータから、目安となる表示を作ってみました。
さて、検証で使った機器は、タイムドメイン社由井啓之氏が推奨していた「audiotechnica AT-PL300」。
ただし、なるべく外乱要素を減らすべく、対策を入れています。
そのままではターンテーブルの音が乗るので、弊社オリジナルのターンテーブルシート"アルトストラト”2枚+十円玉x3+ターンテーブルシート"アルトストラト”1枚で、ターンテーブルの振動対策をしています。
さらに、プレーヤー自体の振動対策として、弊社オリジナルのインシュレーター"Calma"で1点立ちさせています。
電源は、「iFi-Audio iPower Elite 15V」を使用。これは試聴室特集のハンデを打ち消すものになります。
また、比較対象としては、EQカーブがRIAA、Decca、Columbiaを選べる「iFi-Audio iPhono 2」を用意しました。
検証に選んだレコードは、この3枚。

コリン・ディヴィス指揮コンセルトヘボウ管弦楽団のストラビンスキー「火の鳥」、1978年録音。
以前、由井氏が音の良い盤として推奨していたものの一枚です。

ウィリアム・バックハウス&カール・ベーム指揮ウィーン管弦楽団のブラームス「ピアノ協奏曲第2番」、1966年録音。

ローマ合奏団のヴィヴァルディ「ホルンコンチェルト」、1958年頃リリース
まずは、「iFi-Audio iPhono 2」de,
検証レコード(1)と(2)を再生。
それぞれを各EQカーブで聴き比べてみた結果。(1)は標準カーブが一番自然な音を余韻の伸び、(2)はDeccaカーブが一番自然な楽器の音となりました。
(3)は適切なカーブが無いので、検証はできず。
またコロンビアカーブの適切なレコード盤が無いため、コロンビアカーブでの検証も省略しました。
さて次は、「Luxman LXV-OT10」を使った再生です。
(1)Philps盤をセンター(RIAA)設定で再生すると、それなりに聴けてしまいますが、ちょっと音が硬い感じ。
(2)Decca盤をセンター(RIAA)設定で再生すると、若干こもった感じもありますが、なぜかそれなりに聴けてしまいます。
(2)Decca盤をFFRRで再生すると、なぜかこちらの方が音が硬くなる感じです。
(3)Angel盤をセンター(RIAA)設定で再生すると、こちらもそれなりに聴けてしまいました。
(3)Angel盤をAES/Angel設定で再生すると、ちょっと響きにブレーキがかかる感じ。
なんだか、傾向がわかりません。
それで、もう一度(1)Philips盤に戻り、音の硬さ(歪み感)が無く、余韻が伸びて、奥行き感が増す設定値を探してみました。
その結果がこちら。

標準カーブが思いっきりズレているじゃないの?!
センターが標準カーブと思い込んでいたのが間違いでした。
そう言われれば、取説でもどこが標準カーブとは書いてない!
あくまでも「ちょうど良いポイントを探して使う」です。
このフォノイコライザーに癖が乗っているから、フラットがセンターとは限らないわけです。
これは、筐体の影響や、使用するオぺアンプ、真空管によっても変わるでしょう。
だから、上記のRIAAカーブ設定値はキットに付属のオペアンプと真空管を使った場合の設定値ということになります。
(2)Decca盤を再生して、一番フラットなところを探した結果がこちら。

ラベルにしたFFRRの位置よりもセンターの方が本来の設定に近かったので、それなりに聴こえてしまったのでしょうね。
(3)Angel盤の結果はこちら。

こちらもラベルにしたAESの設定よりもセンターの方が最適値に近かったから、傾向は違うもののそれなりに聴こえていたようです。
まあ、究極の説明としては、「聴感を頼りに一番よくなるポイントを探れるように、連続可変型としました」ということになりますね。
それにしても、もう少しセンターを中央に戻したい。
とりあえずできるのはオペアンプ交換。
一般的な意図としては、オペアンプ交換による音色の違いを楽しむということですが、
タイムドメイン的には、オペアンプでフラットポイントが改善されるか、試していこうかと思います。
それにしても、EQカーブが合っていないと、楽器の音色が変わったり、演奏が下手に聴こえたりと、レトロな音がどうのというレベルの話ではない。
この歪んだ音を聴いて、この演奏は良いとか悪いとか勝手に評価するのは、極めて演奏者に失礼と思う次第。
それは、スピーカーやアンプで色付けされた音で、この演奏は良いとか悪いとか勝手に評価するのも同じこと。
オーディオメカが好きな人は、味付けを楽しむという趣味の世界はアリと思いますが。
「音楽」が好きな人で、名シェフの料理にケチャップやマヨネーズをかけずに、シェフの味を楽しみたいと思う方なら、色付けしないタイムドメインスピーカーやアンプを一度聴いてみるべきかと思います。
音楽を聴く時間、人生の時間を使うわけですから、情報量たっぷりで生々しい本来の音を浴びて欲しいと思います。
そうは言っても組み立てて煮詰めるのはめんどうくさい!
とにかく簡単に正しい音で聴きたいという人は、今のところ一番安価なのが「Soulnote E-2」
60万円を超えますが、ロールオフ周波数、カットオフ周波数、負荷抵抗などがきっちり設定できる優れものです。
もう少し安いものとしては、約17万円の「iFi-Audio iPhono3 KIセット」。
フォノイコライザーに縦振動対策の弊社オリジナルインシュレーターを加えたセットです。
EQカーブはRIAAとDeccaとColumbiaだけになりますが、負荷抵抗設定にも対応していて、MCカートリッジをお使いの方には手堅い製品です。

→「フォノイコライザーを作ってみた1〜組み立て編」
→「フォノイコライザーを作ってみた3〜チューニング編」
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会場の高さ、広さを再現するタイムドメインスピーカーは
ライブ配信やライブ・ビューイングに最適!
自宅の音楽再生環境をグレードアップして、音楽も映画も
愉しむ生活に!
実際どんな音なのか試聴できる「タイムドメインスピーカー雑司が谷試聴室」
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