
Author:ki4_zou
アタラシもの&車好きのテクニカル・ライター。「伝える」と「伝わる」、「わかった喜び」を考えながら、日々テクニカル・コミュニケーション&タイムドメインスピーカーを手にしたチューニング・製品開発に精進しています。

「良感」って聞いた事がない言葉ですよね。
それもそのはず、何しろ勝手に作らせていただいた言葉ですから。
きっかけは、イタリア語の"simpatico"(aは`付)という言葉。
伊日辞書では「いいかんじ」になるのですが、巷で使われている「イー・カ・ン・ジ」とは、ちょっとニュアンスが違います。イタリア人は、見た目の善し悪しだけでなく、内面的な好感や親しみをこめて使っています。そんな言葉と「イー・カ・ン・ジ」を区別して使いたいと思い、「良感」と表現した次第です。
このブログでは、そんな好感や親しみの持てる言葉/話/物/人を取り上げて、人々に本当に役立つ話題や、世の中が朗らかになる話題を書き留めています。昨今殺伐とした社会生活が、少しでも明るくなり、人々が仲良く共生できるようになればと願っています。
※ブログページ内および記事中の商品名・写真には、広告バナーおよびアフィリエイトリンクを含んでいます。
それもそのはず、何しろ勝手に作らせていただいた言葉ですから。
きっかけは、イタリア語の"simpatico"(aは`付)という言葉。
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オペアンプをアップグレードして音の奥行きや質感がジャンプアップしたフォノイコライザー"Luxman LXV-OT10 KIチューン”(写真下、上はキット標準状態)
このフォノイコライザーを拝鈍亭にて導入していただけることになりました。
拝鈍亭で定期的に開催されている「アナログレコードを聴く会」では、今後このフォノイコライザー+タイムドメインスピーカーで聴いていただけます。
導入にあたり、そのパフォーマンスを最大限に生かすために、iFi-Audio iPower Elite 15Vもセットで導入。
さらに、筐体の縦振動対策として、弊社オリジナルのインシュレーター"Calma"もセットです。
極めて上質な電源と、音を汚す原因を低減する振動対策を施すことで、アナログレコードに記録された当時の情報を捨てることなく、聴いていただけます。
もちろん、スピーカーも高純度のmidTowerトカンテ YA2セットです。

次回の「アナログレコードを聴く会」は2023年9月10日(日)15時〜17時を予定しています。
この会は住職が声がけした気さくな音楽好きの集まりなので、入場料はありません。
また、聴きたいレコードをご持参いただけば、高純度再生のタイムドメインシステムで試聴できます。
(希望多数の場合はかけられないこともありますので、次回になることもあります。)
皆様の反応がどうなることか、楽しみです。
タイムドメインスピーカーは、スピーカーからではなく、各楽器や歌手の立ち位置から音が聴こえるスピーカーです。
オーケストラ音源では、写真の壁一面の色々なところから音が聴こえてきて、とても2本のスピーカーが鳴っているようには思えないと、参加者からは好評をいただいております。
是非立体的な音空間再生の音をご体験ください。
なお、このKIチューンフォノイコライザーについては、下記をご覧ください。
→「フォノイコライザーを作ってみた1〜組み立て編」
→「フォノイコライザーを作ってみた2〜検証編」
→「フォノイコライザーを作ってみた3〜チューニング編」
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会場の高さ、広さを再現するタイムドメインスピーカーは
ライブ配信やライブ・ビューイングに最適!
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実際どんな音なのか試聴できる「タイムドメインスピーカー雑司が谷試聴室」
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TDウーファーの試聴シリーズ第三弾は、一般的な箱スピーカーでその相性を試してみました。
箱の共鳴を使わないTDウーファー Zeppoのクリアな極低音は、果たしてうまくつながるでしょうか?
今回使用したのは、実家に眠っていた三十年以上前のスピーカー「B&W DM12」。

B&Wと言えば、今でこそ高級スピーカーで有名な人気ブランドですが、30年以上前は、どちらかというとスタジオモニターを主としたプロ志向のメーカーという印象だったと思います。
知る人ぞ知るブランドなので、店頭でもあまり見かけなかったような。
このスピーカーを選んだ理由も、オーディオに詳しい知人のおすすめということでした。
三十年以上経っているスピーカーですが、今回鳴らした範囲では、エッジも問題なく正常な音が鳴っていました。
密閉式のモニタースピーカーということで、当時はフラット思考の印象だったと思います。

2.6cmツイーター+15cmウーファーという2WAY構成の密閉式で、周波数特性見ると、85〜20kHzでフラットに保とうという思考で設計されたスピーカーですね。
今改めて聴くと、密閉式なのに意外と低域がブーミーな印象。
こんな音だっけ?
ちょっと嫌な予感。
まあ、当時のアンプとは違うので、そのせいもあるかと思います。
因みにアンプは、一般的な音の再現を狙って、これも眠っていたONKYOのミニコンポ用アンプを使用しました。
ダイレクトモードにすれば特別クセのないアンプで、特にアンプで低音強調しているようなものではないのですが、解像度は余り高くモワッと聴こえる感じです。
その他はなるべく外乱要素を減らすということで、DACには、純度の高いR-2R方式のXI AUDIO K-DACを使用するなど、他の試聴の時と同じ条件に保った再生システムとなります。
さて、いよいよTDウーファーとの同時鳴らし試聴。

この密閉式スピーカーを鳴らしつつ、TDウーファーのボリュームを上げていきます。
これがなかなか悩ましい。。。
メインスピーカーの音は、タイムドメインスピーカーからすると盛大にブーミーな音。
これにTDウーファーを合わせると、かなりボリュームを上げることになりました。
しかしTDウーファーのボリュームを上げると、、、
なんてことでしょう!?
物理ローパスフィルターから漏れ出ている共鳴を使わない中高音が密閉式スピーカーに勝ってしまうという事態に!!
TDウーファーは電気的なフィルターによる歪みが無いところがミソの一つなのですが、物理的なローパスフィルターでだいぶ絞っているはずの中高音がクリア過ぎて、前に出てきてしまうということのようです。
メインをタイムドメインスピーカーで合わせた場合は、どのモデルでもTDウーファーの中高音に負けることはないので、良質の中高音+TDウーファーの低音がうまくつながり、違和感なく音域が広がった形で楽しめるのですが。。。
ん〜〜、どうしようか?
そこで、逆にTDウーファーの音量を決めてから、メインスピーカーの音量を上げていく方法で試聴してみました。
結果、この方が合わせやすいですね。
だた、この場合メインスピーカーの音量を上げすぎると、ブーミーな低音がクリアな音を台無しにすることに!
また、音像定位もかきけす方向となり、かなり「いびつな音」になるかと思います。
これはこれで好きという方もいらっしゃるかもしれませんが、それなら一般的なサブウーファーの方がより好みに合うでしょうね。
結論としては、TDウーファーは、合わせる箱スピーカーをかなり選ぶということになるかと思います。
最近の多くは、スピーカーコーンの裏の音を積極的に使ったバスレフ型スピーカーが多いのですが、このタイプは密閉式よりさらにブーミーな音の場合が多く、相性が良いとは言えません。
逆に低音がスカスカで物足りない小型簡易スピーカーの方が、TDウーファーを加えることで、お互いの邪魔をすることなく相性が良いかもしれませんね。
また、そもそもスピーカーコーンの裏の音を使わない静電式スピーカーやホーン式スピーカーでは、お互いの良いところが合わさり、TDウーファーとは相性がよいことが考えられます。

TDウーファーはいわゆるサブウーファー製品とは別物の音なので、なかなか想像がつかないかと思います。
もし、「クリアな音や楽器本来の音色が好きだ」という方なら、TDウーファーの音は楽器の音色をさらに上質にする傾向がありますので、TDウーファーに興味をお持ちの方は、是非一度タイムドメインスピーカー雑司が谷試聴室でご試聴ください。
タイムドメインスピーカー雑司が谷試聴室では、ご予約にて各タイムドメインスピーカーとTDウーファーの組み合わせをご試聴いただけます。
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キット標準状態で完成したフォノイコライザー"Luxman LXV-OT10”.
しかしこのキットの醍醐味はパーツを交換してグレードアップできること。
そして、そのトライを先人の方々がやっている動画がこちら。
改造ポイントはオペアンプの前段と後段、コンデンサー、真空管、筐体などが上がっていましたが、
意見を参考にさせていただいて、効果の薄いものはパス。
とりあえず、6〜7割を占めるというオペアンプの前段を変えてみることにしました。
交換できるのはFET方式のオペアンプということで、ガイドブックに記載されている中で入手しやすい「MUSES8920D」と「MUSES01D」を秋葉原で仕入れてきました。

そして、オペアンプを差し替えつつ、RIAAカーブ盤やDeccaカーブ盤、AEBカーブ盤を聴いて、音の変化を観察していきます。
と言っても、50年以上前の録音で、どの音が正解なんてわかる知識も情報も無いわけで、これを以って「RIAAカーブ以外なんてあるわけない」と都市伝説呼ばわりする方々も居るようですが。。。
そこは、タイムドメインスピーカーならではの判定方法があるんです。
色付けをしないタイムドメインスピーカーを使用していると、トーンコントロール付きのアンプではどちら側に回しても音が歪んで耳に痛くなったり、ぼやけてこもって聞こえたりします。
結局真ん中の「フラット」が一番良い音に聴こえるわけで。
だから、タイムドメインのアンプにはトーンコントロールは無いのです。
この「フラットが一番良い音」というのは、好みの問題ではなく、フラットになった途端に演奏者の奥行き感というか実態感が急に増したり、微細な余韻にブレーキがかからず、極自然に消えていくポイントがあるのです。
EQカーブが合っていない状態というのは、このトーンコントロールがフラット以外にある状態なので、高音側、低音側のボリュームを回していき、一番奥行き感が出て微細な余韻がどっと増えるポイントを探していけば、正しいEQカーブがわかるというわけです。
ただし、あくまでも耳で判断することと、この2つのボリュームがEQカーブの曲線をリニアに再現しているわけではないので、誤差や個人差があることを前提に、この先の結果をご覧ください。
まずは、高音側の最大と最小を聴き比べ、中央にしたときに音の傾向がどちらに近いかを判断します。
例えば、もし最大と中央値が似た音であれば、フラットポイントは中央値と最小値の間にあると特定できるわけです。
さらに、最大値側の音色(歪み)が終わるポイントと、最小値側の音色(歪み)が終わるポイントを探し、一番音が生き生きするポイント、余韻が自然に伸びて消えるポイントを特定します。
そうは言ってもよくわからない時は、最大値側の音色(歪み)が終わるポイントと、最小値側の音色(歪み)が終わるポイントのちょうど真ん中をフラットポイントとしておきます。
この方法で探っていった結果が、「キット標準のオペアンプではRIAAがボリュームの中央からずれているじゃね?」という結論になるわけです。
それでは、聴き比べ作業開始。

こちらがキット標準で付いているテキサス・インスツルメンツ製TL072CP。
今までこれで拝鈍亭のアナログレコードを聴く会でも使用して、そこそこ評価されていたものです。
これを外して交換していきます。

まずは安価な割に評判が良い「MUSES8920D」。
ICはソケットに装着されているので、ICを引き抜いて差し替えるだけ。
でも力が余って足をひん曲げたり、最悪折ってしまうこともあるので、慎重にICを少しずつジャッキアップして、足が曲がらないように取り外します。
取り付ける方は、新品だと大抵足がハの字に開いているので、ラジオペンチ等を使って、先に足を直角に整えておくと、取付時に余計な力を加えずに済み、トラブルを避けられます。
さて、「MUSES8920D」で音出し。
「MUSES8920D」は、キット標準から比べたら一桁高い価格帯の安定バージョン。
縛られていたような硬い音が解放されて、断然よくなりました。
オペアンプの初段が6〜7割という説明も納得の影響力です。
音が無事に出たら、RIAAカーブとわかっている盤を使って、センター出し。
結果は次のようになりました。

高音側は真ん中、低音側も少しずれている程度です。
これなら、RIAAカーブが中央値と思い込んで使っても、それほど影響はないかもしれません。

さて、次は「MUSES01D」に交換!
このオペアンプはオーディオ用に特化して開発されたもので、「MUSES8920D」よりもさらに一桁高い(キット標準からは100倍以上)高級品です。
さらに上の「MUSES03D」というオペアンプもあるのですが、これは1回路しか入っていないため、2つ要ります。オペアンプ2個替えると4個必要になり、これだけで1万超えのパーツ代となるため、今回はコスパ重視で「MUSES01D」にしておきました。
さて、「MUSES01D」で音出しは?
何ということでしょう!
同じレコード盤なのに、楽器の音色や色艶が断然豊かになりました。
さすがオーディオに特化して素材から吟味したというオペアンプだけのことはあるようです。
これは戻れませんね。
これで聴くと、音楽を聴く時間の価値や満足感が段違いです。
音がわかったところで、RIAA盤によるセンター出し。
結果は、高音側が中央、低音側は1.5目盛程右にずれたところがフラットのようです。


オペアンプの前段が決まったので、オペアンプの後段を余った「MUSES8920D」に替えてみました。
なるほど、それほど変化を感じないのは先人の解説の通りでした。
また、RIAA盤のセンター結果も変化なし。
フォノイコライザーのチューニングとしては、これで行こうかと思います。

続いては、Decca盤の検証です。
Deccaカーブとわかっている盤で、フラットポイントを探ってみました。
結果は、高音側は先人の示した値とほぼ一致しました。
低音側もセンターがズレた分と同じく右に1.5目盛ずれたところで落ち着きました。

さらに手持ちでANGELカーブ(=EMIやAEBカーブ)盤で検証です。
こちらも結果は、高音側が先人の示した値でほぼ一致。
低音側も右に1.5目盛ズレた位置に落ち着きました。
コロンビアカーブも試したいところですが、写真のコロンビア盤はすでにRIAAカーブになっており、最適な手持ち盤がありません。
なので、他のカーブはイコライザーカーブ特性の資料に準じた予想値として、目盛を振ってみました。

その結果をデカールにして貼った、KappaInfinitoチューン版LXV-OT10の完成です。
カッパーインフィニートチューンですから、筐体の振動対策も一通り入れてあります。
また、フォノイコライザーの電源としては、一番アースが手堅い「iFi-Audio iPower Elite 15V」の一択となりました。
他の癖のある電源を使用した場合、RIAAのセンター値も含めて、違う結論になるかと思いますので、あくまでも前提条件を踏まえた上で参考にしてください。
さて、次回の「アナログ・レコードを聴く会」には、このフォノイコライザーできを持ち込みます。
皆様の反応がどうなることか、楽しみです。
→「フォノイコライザーを作ってみた1〜組み立て編」
→「フォノイコライザーを作ってみた2〜検証編」
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出来上がったフォノイコライザー「Luxman LXV-OT10」
やけにシンプルなつまみが気になりました。
ボリューム自体に中央のクリック感はあるものの、ノブには印が無いので、今どこに調整されているかわかりません。
また、そのクリック感がある中央が標準カーブ(RIAA)だとして、各カーブの設定値を示すものが何もないのです。
取説には、「聴感を頼りに一番よくなるポイントを探れるように、連続可変型としました」とあるので、開発者の意図として、ここが〇〇カーブと言ったことは示すつもりがないようです。

そこで、使い始める前にノブに設定値がわかるマーキングと、今まで知り得た各EQカーブのデータから、目安となる表示を作ってみました。
さて、検証で使った機器は、タイムドメイン社由井啓之氏が推奨していた「audiotechnica AT-PL300」。
ただし、なるべく外乱要素を減らすべく、対策を入れています。
そのままではターンテーブルの音が乗るので、弊社オリジナルのターンテーブルシート"アルトストラト”2枚+十円玉x3+ターンテーブルシート"アルトストラト”1枚で、ターンテーブルの振動対策をしています。
さらに、プレーヤー自体の振動対策として、弊社オリジナルのインシュレーター"Calma"で1点立ちさせています。
電源は、「iFi-Audio iPower Elite 15V」を使用。これは試聴室特集のハンデを打ち消すものになります。
また、比較対象としては、EQカーブがRIAA、Decca、Columbiaを選べる「iFi-Audio iPhono 2」を用意しました。
検証に選んだレコードは、この3枚。

コリン・ディヴィス指揮コンセルトヘボウ管弦楽団のストラビンスキー「火の鳥」、1978年録音。
以前、由井氏が音の良い盤として推奨していたものの一枚です。

ウィリアム・バックハウス&カール・ベーム指揮ウィーン管弦楽団のブラームス「ピアノ協奏曲第2番」、1966年録音。

ローマ合奏団のヴィヴァルディ「ホルンコンチェルト」、1958年頃リリース
まずは、「iFi-Audio iPhono 2」de,
検証レコード(1)と(2)を再生。
それぞれを各EQカーブで聴き比べてみた結果。(1)は標準カーブが一番自然な音を余韻の伸び、(2)はDeccaカーブが一番自然な楽器の音となりました。
(3)は適切なカーブが無いので、検証はできず。
またコロンビアカーブの適切なレコード盤が無いため、コロンビアカーブでの検証も省略しました。
さて次は、「Luxman LXV-OT10」を使った再生です。
(1)Philps盤をセンター(RIAA)設定で再生すると、それなりに聴けてしまいますが、ちょっと音が硬い感じ。
(2)Decca盤をセンター(RIAA)設定で再生すると、若干こもった感じもありますが、なぜかそれなりに聴けてしまいます。
(2)Decca盤をFFRRで再生すると、なぜかこちらの方が音が硬くなる感じです。
(3)Angel盤をセンター(RIAA)設定で再生すると、こちらもそれなりに聴けてしまいました。
(3)Angel盤をAES/Angel設定で再生すると、ちょっと響きにブレーキがかかる感じ。
なんだか、傾向がわかりません。
それで、もう一度(1)Philips盤に戻り、音の硬さ(歪み感)が無く、余韻が伸びて、奥行き感が増す設定値を探してみました。
その結果がこちら。

標準カーブが思いっきりズレているじゃないの?!
センターが標準カーブと思い込んでいたのが間違いでした。
そう言われれば、取説でもどこが標準カーブとは書いてない!
あくまでも「ちょうど良いポイントを探して使う」です。
このフォノイコライザーに癖が乗っているから、フラットがセンターとは限らないわけです。
これは、筐体の影響や、使用するオぺアンプ、真空管によっても変わるでしょう。
だから、上記のRIAAカーブ設定値はキットに付属のオペアンプと真空管を使った場合の設定値ということになります。
(2)Decca盤を再生して、一番フラットなところを探した結果がこちら。

ラベルにしたFFRRの位置よりもセンターの方が本来の設定に近かったので、それなりに聴こえてしまったのでしょうね。
(3)Angel盤の結果はこちら。

こちらもラベルにしたAESの設定よりもセンターの方が最適値に近かったから、傾向は違うもののそれなりに聴こえていたようです。
まあ、究極の説明としては、「聴感を頼りに一番よくなるポイントを探れるように、連続可変型としました」ということになりますね。
それにしても、もう少しセンターを中央に戻したい。
とりあえずできるのはオペアンプ交換。
一般的な意図としては、オペアンプ交換による音色の違いを楽しむということですが、
タイムドメイン的には、オペアンプでフラットポイントが改善されるか、試していこうかと思います。
それにしても、EQカーブが合っていないと、楽器の音色が変わったり、演奏が下手に聴こえたりと、レトロな音がどうのというレベルの話ではない。
この歪んだ音を聴いて、この演奏は良いとか悪いとか勝手に評価するのは、極めて演奏者に失礼と思う次第。
それは、スピーカーやアンプで色付けされた音で、この演奏は良いとか悪いとか勝手に評価するのも同じこと。
オーディオメカが好きな人は、味付けを楽しむという趣味の世界はアリと思いますが。
「音楽」が好きな人で、名シェフの料理にケチャップやマヨネーズをかけずに、シェフの味を楽しみたいと思う方なら、色付けしないタイムドメインスピーカーやアンプを一度聴いてみるべきかと思います。
音楽を聴く時間、人生の時間を使うわけですから、情報量たっぷりで生々しい本来の音を浴びて欲しいと思います。
そうは言っても組み立てて煮詰めるのはめんどうくさい!
とにかく簡単に正しい音で聴きたいという人は、今のところ一番安価なのが「Soulnote E-2」
60万円を超えますが、ロールオフ周波数、カットオフ周波数、負荷抵抗などがきっちり設定できる優れものです。
もう少し安いものとしては、約17万円の「iFi-Audio iPhono3 KIセット」。
フォノイコライザーに縦振動対策の弊社オリジナルインシュレーターを加えたセットです。
EQカーブはRIAAとDeccaとColumbiaだけになりますが、負荷抵抗設定にも対応していて、MCカートリッジをお使いの方には手堅い製品です。

→「フォノイコライザーを作ってみた1〜組み立て編」
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「何も引かない、何も足さない」のが、タイムドメイン理想の音。
アナログレコードを聴く時も、レコードの溝に収まるよう歪めて記録された音を、正しいイコライザーカーブでフラットに戻した音を聴くことが重要です。
世の中には、フォノイコライザー搭載のアンプやレコードプレーヤーがありますが、たいていは標準カーブ(RIAA)が搭載されています。
標準カーブ(RIAA)が業界標準として制定されたのは1954年ですが、実際に各メーカーが従った時期は謎のままで、一説には1980年代まで標準カーブではないものがあるという話もあるようです。
実際にタイムドメインスピーカーで聴くと、音が歪んで不自然に聴こえるレコードも少なくありません。
近年のものは問題ないですが、良い録音を求めて録音技術がシンプルな1960年代以前のものを漁り始めると、結構な確率で標準カーブでは違和感を感じるものがあります。
「その時代は、まだ各社でイコライザーカーブが標準カーブに従ってなかったこと」が記録されているとも言えるかもしれません。


その中で、月刊ステレオ誌のムック本「EQカーブ調整型真空管フォノイコライザー」は付録として「Luxman LXV-OT10」の組み立てキットが付録しており、約2万円という安価で、可変に対応したフォノイコライザーが入手可能です。

「Luxman LXV-OT10」は、キットなので、部品が一式入っています。
ただ、はんだ付け等は既に終わっているので、プラスドライバーとラジオペンチ(ICの足を整える程度なので無くても可)の道具があれば、簡単に作れるものです。
では、なぜキットかというと、「搭載されているオプアンプや真空管を自由に換えて楽しめますよ」という趣旨のようです。

完成したのがこちら。
真空管がライトアップされ、ビジュアル要素も入れたフォノイコライザーになっています。
早速音出し!
音も難なく出て、イコライザーカーブをボリューム調整できるなかなか便利なものができました。
と言いたいところですが、いくつか問題点が。。。。
まず、ノイズに弱い。
フォノイコライザーでしかもMM用は外部ノイズに弱い特性があります。
雑司が谷試聴室は、一般家庭よりも機器が複雑に接続されているので、決して良い条件ではありません。
そのため、標準添付のACアダプターでは、電源由来のノイズが派手に乗ってしまいます。
この辺は製品として作られた「iFi-audio iPhono 2」では、そんなに弱いこともないので、回路や筐体の作りが弱いようです。

いろいろと試したところ、アースの作りがしっかりしている「iFi-Audio iPower Elite 15V」ならば、実用レベルになりました。お
ただ、これは約5万円のACアダプターなので、フォノイコライザーの2.5倍のACアダプターが必要というのが、悩ましいところです。
もっと電源の周辺環境が良ければ、ここまで要らないかもしれません。
また、真空管を内蔵するための無駄に大きい筐体も純度低下の問題になりそうです。
ただ、フタを外して再生すると、盛大にノイズを拾うので、シールドとしての筐体は不可欠。
本来、不安定要素の真空管が無ければ、もっと良い機器になり得たのですが、、、
真空管を色付けツールとして位置付けている風潮があるので、この製品事態の限界かもしれません。
手軽に使えるフォノイコライザーで貴重な存在ではありますが、安心して使える製品レベルには至っていないというのが、最初の感想となりました。
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